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夜想曲 (フォーレ) : ウィキペディア日本語版
夜想曲 (フォーレ)[やそうきょく]

フォーレの夜想曲(やそうきょく、)は、近代フランス作曲家ガブリエル・フォーレ(1845年 - 1924年)が作曲したピアノ曲。全13曲。
13の夜想曲は、最初の第1番が1875年ごろ(フォーレ30歳ごろ)、最後の第13番が1921年、すなわちフォーレの死の3年前にそれぞれ作曲されており、フォーレの創作期のほぼすべてにわたっている。また、この時期はヨーロッパとフランスの音楽語法がロマン派から近代音楽へと移り変わる過程にあり、様々な作曲技法が編み出された激動期に位置している。
なお、フォーレにはピアノ曲以外に「夜想曲」と題した弦楽オーケストラ用の作品(『シャイロック』作品57)及び歌曲(作品43-2)がある。
== 特徴 ==
夜想曲のジャンルに関しては、フォーレの他のほとんどのピアノ音楽と同様、フレデリック・ショパンから名称や表現上の特質など多くを受け継いでいる。一方で、フォーレが教会音楽学校であるニーデルメイエ校で音楽を学び、さらに教会オルガニストを長く務めて、グレゴリオ聖歌を土台にしたフランス伝統の教会対位法やバッハ作品に親しんだことは、彼の夜想曲の様式に大きな影響を持ったと考えられる。
フォーレの夜想曲は、概ね三部形式に基づいたA-B-A' の形式によっている。主部Aに対して、中間のBは対照的な性格が与えられ、内的なエネルギーのいっそう活発な運動を示す。A' はAの再現にとどまらない、Bを内包しながらAを変化・発展させたものである。
シャープフラットの数の多い調性が多く採用されているのはショパンと同様だが、フォーレの場合、調号の数の多いものと少ないものでは明らかに音色の違いがあり、調性はそのために選ばれたと考えられている。
フォーレの作品を特徴付ける要素として、非和声音の用法とシンコペーションが挙げられる。非和声音の中でも倚音の使用は特有の効果を発揮しており、シンコペーションはフォーレの夜想曲で音楽的搏動(pulsation)の源として働いている。また、16分音符による細かい動きはしばしば作品の基軸となっており、拍の単位を8分音符で取る拍節とともに、フォーレが音楽に柔軟かつ自在な流動性を求めていたことの表れである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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